Google AppSheetで顧客関係管理（CRM）アプリを作成してみた - 機能紹介編 -
Azusa Hirose
はじめに
この記事の筆者の私は、2017年よりベトナムから日本へ来て、2018年ハイペリオンに入社しました。
テスターとしてのキャリアを開始し、単体テスト、結合テスト、総合テストを一通り経験。
品質保証計画プロジェクトへメンバーとして参加するなど、品質管理のエキスパートとして経験を重ねてきました。
今回は、社内で使用している顧客関係管理（以下、CRM（Customer Relationship Management））システム をGoogle AppSheetに取り替えることができるか否か可能性を調査し、CRMアプリの開発を行いました。
この記事では、Google AppSheetで開発したCRMアプリの機能についてご紹介します。
※記事で紹介するアプリは、テストデータを使用しています。
次回は、Google AppSheetのCRMアプリの開発方法についてご紹介する予定です。
開発の目的
既存のCRMシステムのリプレイス
開発の背景
既存のCRMシステムは業務効率向上を支援するクラウド型サービスのプラットフォームを使用していたが、下記の課題があったため。
- 一部の機能しか使用しない（必要ない）ので、使用機能に見合った利用料のシステムを使いたい。
→ 既存のシステムを利用していく中で使用する機能が明確になり、当面新たに使う機能はなさそうなため、過不足ないシステムが望ましい。 - 既存のCRMシステムでは、前後の業務（作業）はGoogle ドライブやGoogle スプレッドシートを利用することがほとんど。
→ 入力工数の手間の削減や自動化（データ連携）などを考えると、AppSheetに優位性があった。
CRMアプリの概要
システム機能リスト＆機能関係図
画面遷移図
ユーザー権限図
CRMアプリの機能詳細
「ホーム」タブ
ダッシュボードを表示する
アプリをアクセスするとき、このタブに遷移する。
ダッシュボードの内容はエンドユーザーの要望により自由に設定できる。
※ 設定方法は「表示設定」タブを参考
①②③④ について、ダッシュボードの各エリアの一覧リストでレコードをクリックすると、相応データの詳細画面へ遷移する。
「見込み客」タブ
見込み客一覧を表示する
この画面から新しい見込み客情報を追加できるし、既存の見込み客情報も確認、更新、削除できる。
フィルター条件を指定すると、一覧結果をフィルターできる。
① 「見込み客作成」ボタンをクリックすると、見込み客入力画面へ遷移し、見込み客情報を追加できる。
② 一覧レコードをクリックすると、見込み客詳細画面へ遷移し、相応レコードの詳細情報を表示する。
①
②
③ 「編集」ボタンをクリックすると、見込み客入力画面へ遷移し、相応レコードの情報を更新できる。
④ 「次のステップへ」ボタンをクリックすると、取引先から変換確認画面へ遷移し、見込み客情報が取引先情報に変換できる。
⑤ 「削除」ボタンをクリックすると、表示されているレコードを削除できる。
⑥ 各Inline一覧エリアのレコードをクリックすると、相応データの詳細画面へ遷移する。
⑦ 各Inline一覧エリアの「追加」ボタンをクリックすると、相応データの入力画面へ遷移する。
③
④
「取引先」タブ
取引先一覧を表示する
この画面から新しい取引先情報を追加できるし、既存の取引先情報も確認、更新、削除できる。
① 「取引先作成」ボタンをクリックすると、取引先入力画面へ遷移し、取引先情報を追加できる。
② 一覧レコードをクリックすると、取引先詳細画面へ遷移し、相応レコードの詳細情報を表示する。
①
②
③ 「編集」ボタンをクリックすると、取引先入力画面へ遷移し、相応レコードの情報を更新できる。
④ 「削除」ボタンをクリックすると、表示されているレコードを削除できる。
⑤ 各Inline一覧エリアのレコードをクリックすると、相応データの詳細画面へ遷移する。
⑥ 各Inline一覧エリアの「追加」ボタンをクリックすると、相応データの入力画面へ遷移する。
③
「連絡先」タブ
連絡先一覧を表示する
この画面から新しい連絡先情報を追加できるし、既存の連絡先情報も確認、更新、削除できる。
① 「連絡先作成」ボタンをクリックすると、連絡先入力画面へ遷移し、新しい連絡先情報を追加できる。
② 一覧レコードをクリックすると、連絡先詳細画面へ遷移し、相応レコードの詳細情報を表示する。
①
②
③ 「編集」ボタンをクリックすると、連絡先入力画面へ遷移し、相応レコードの情報を更新できる。
④ 「削除」ボタンをクリックすると、表示されているレコードを削除できる。
⑤ 各Inline一覧エリアのレコードをクリックすると、相応データの詳細画面へ遷移する。
⑥ 各Inline一覧エリアの「追加」ボタンをクリックすると、相応データの入力画面へ遷移する。
③
「商談」タブ
商談一覧を表示する
この画面から新しい商談情報を追加できるし、既存の商談情報も確認、更新、削除できる。
① 「商談作成」ボタンをクリックすると、商談入力画面へ遷移し、商談情報を追加できる。
② 一覧レコードをクリックすると、商談詳細画面へ遷移し、相応レコードの詳細情報を表示する。
①
②
③ 「編集」ボタンをクリックすると、商談入力画面へ遷移し、相応レコードの情報を更新できる。
④ 「削除」ボタンをクリックすると、表示されているレコードを削除できる。
⑤ 各Inline一覧エリアのレコードをクリックすると、相応データの詳細画面を遷移する。
⑥ 各Inline一覧エリアの「追加」ボタンをクリックすると、相応データの入力画面を遷移する。
③
「タスク」タブ
タスク一覧を表示する。
この画面から新しいタスク情報を追加できるし、既存のタスク情報も確認、更新、削除できる。
① 「タスク作成」ボタンをクリックすると、タスク入力画面へ遷移し、新しいタスク情報を追加できる。
② 一覧レコードをクリックすると、タスク詳細画面へ遷移し、相応レコードの詳細情報を表示する。
①
②
③ 「編集」ボタンをクリックすると、タスク入力画面へ遷移し、相応レコードの情報を更新できる。
④ 「削除」ボタンをクリックすると、表示されているレコードを削除できる。
⑤ 各Inline一覧エリアのレコードをクリックすると、相応データの詳細画面へ遷移する。
⑥ 各Inline一覧エリアの「追加」ボタンをクリックすると、相応データの入力画面へ遷移する。
③
「通話」タブ
通話一覧を表示する
この画面から新しい通話情報を追加できるし、既存の通話情報も確認、更新、削除できる。
① 「通話作成」ボタンをクリックすると、通話入力画面へ遷移し、商談情報を追加できる。
② 一覧レコードをクリックすると、通話詳細画面へ遷移し、相応レコードの詳細情報を表示する。
①
②
③ 「編集」ボタンをクリックすると、通話入力画面へ遷移し、相応レコードの情報を更新できる。
④ 「削除」ボタンをクリックすると、表示されているレコードを削除できる。
⑤ 各Inline一覧エリアのレコードをクリックすると、相応データの詳細画面へ遷移する。
⑥ 各Inline一覧エリアの「追加」ボタンをクリックすると、相応データの入力画面へ遷移する。
③
「社員情報」タブ
タスク一覧を表示する
この画面から新しい社員情報を追加できるし、既存の社員情報も確認、更新、削除できる。
① 「社員追加」ボタンをクリックすると、社員情報入力画面へ遷移し、新しい社員情報を追加できる。
※ システム管理者のみ
② 一覧レコードをクリックすると、社員情報詳細画面へ遷移し、相応レコードの詳細情報を表示する。
①
②
③ 「編集」ボタンをクリックすると、社員情報入力画面へ遷移し、相応レコードの情報を更新できる。
※ システム管理者とアカウントの本人のみ
④ 「削除」ボタンをクリックすると、表示されているレコードを削除できる。
※ システム管理者のみ
⑤ 各Inline一覧エリアのレコードをクリックすると、相応データの詳細画面へ遷移する。
⑥ 各Inline一覧エリアの「追加」ボタンをクリックすると、相応データの入力画面へ遷移する。
③
「表示設定」タブ
ユーザーが希望により、アプリ内の表示形式を設定するため画面。
※ このサンプルアプリでは、ダッシュボードとタブの表示を設定できるように作成。
① 「タスク全部表示」がONなら、タスク一覧画面でタスクを全て統一し１つのエリアで表示する。
②③④⑤ の各項目の表示設定がONなら、相応のエリアが「ホーム」タブのダッシュボードで表示する。
①
「タスク全部表示」がOFFなら、タスク一覧画面でタスク別に独立したエリアに分けて表示する。
（完了タスク・保留中のタスク）
②③④⑤
逆にOFFなら、表示しない。
アプリのスペシャル・フィーチャ（特集）
カスタマイズ：フィルター
見込み客一覧画面と取引先一覧画面でタグなどのフィルター条件を指定すると、一覧結果をフィルターできる。
- ユーザー毎に別のフィルターを設定できる。設定状況が保存できる。
- ユーザーが自身の希望により、フィルター指定エリアの項目を表示／未表示を設定できる。
例：見込み客一覧画面、フィルター結果あり／なし
例：取引先一覧画面、フィルター結果あり／なし
カスタマイズ：入力チェック・相関チェック
入力順番、入力基準（「電話番号」や「郵便番号」などのフォーマット／パータン）の入力チェック、相関チェックについて、カスタマイズ／調整も可能。
※ 特別なバリデーション・コマンド／フォーミュラの使用が必要。
カスタマイズ：表示形式
タブ・エリア・項目の表示形式の調整が可能。
※上記の 「表示設定」タブを参考
※Appsheetでまだ完璧にサポートはないが、データ関係項目以外で、画面の特別アイテムも表示が可能。
例：画面の登録モードのみ特別アラート
まとめ
AIで分析や予知など高機能はまだAppsheetで展開できないが、他のCRMのメイン機能がAppsheetでリプレイできますよ。
Appsheetは便利で、他のGoogleのサービスも連携可能ですから、AppsheetでCRMアプリの開発をすることはオススメします。
もしもご自身での開発が難しい場合は、弊社へご相談くださいね。
